梶原誠

梶原 誠

MAKOTO KAJIWARA

梶原 誠

「特殊な左官仕事は苦労しますが、左官職人として一番おいしい部分です」



47歳
梶原組鏝頭

左官職人として一番「おいしい」ところを取られたくない

左官職人として一番「おいしい」ところを取られたくない
―梶原さんは、梶原社長の弟さんとお聞きしましたが、別のお仕事をされていたことはありますか?

梶原:いやもう、ずっと左官職人です。実家がずっと左官屋で、18歳からずっと先代である親父のもとで働いていました。
で、兄である社長は自分の会社を作るのに一度出てるんですが、その間も僕はずっと実家にいました。
兄が戻ってきてから今の「株式会社梶原組」のスタイルになりましたね。
だからずっと「梶原組」で左官職人です。
―現在の仕事内容について教えて下さい。

梶原:本当にいろいろなことをしていますね。先代から他の左官屋より幅広いことをしてきましたが、今はもうなんでもします。

その中でも一番多い、主体としているのは「化粧仕事」という仕上げです。
多くの左官業は下地作業で終わることがほとんどなのですが、梶原組では仕上げまでします。
なんだったらもう、仕上げまで出来ないのならその仕事は断る!ぐらいの考えですね(笑)。

左官職人として一番「おいしい」ところを取られたくない、ところが正直な気持ちです。
その仕事の仕上げをした人間が、ドンと前に出てきますから。そこは大切なところだと思います。

新しくて難しい技術への挑戦

新しくて難しい技術への挑戦
―職人歴30年のベテランですが、仕事で苦労されることはありますか?

梶原:梶原組は左官の中でも特殊技術を使う変わったジャンルが多いんです。
そういう新しくて難しい技術に挑戦していってるので、上手くやるために悩むことの連続ですね。
これまでの経験をつなぎ合わせたり、社長に相談したり、左官とは違う角度から情報を集めたりして、探り探り試しながら上手くいくようにしています。
そのためには普段からの練習も必要ですね。

人間って楽したい生き物で、ついつい「別にええかな?」って考えますけど、そこは社長が上手くケツ叩いて練習する場を作ってくれます(笑)。
でも、一度現場に入ってしまえば、「お前ら頼むで!」とガッツリ任せてくれます。

―梶原さんの憧れや目標となる人はおられますか?

梶原:基本的にそういう目指す人はいないんです。ただ、他の業種に憧れたりはしますね(笑)。
古着が好きなんで、古着ショップの運営とか、昔趣味だったスケートボードのパークを作ってオーナーにもなってみたいですね。屋内のコースを左官で作ったりとか。
中でも一番憧れるのは家具職人です。実際に、梶原組で左官の技術を用いた一点ものの家具を今現在作っているんです。
金属の粉を塗って左官で研ぎ出したりしています。

先輩たちを追い越してほしい

先輩たちを追い越してほしい
―それでは、これから梶原組への入社を希望される皆さんにメッセージを!

梶原:先輩たちをどんどん追い越してください。
もちろん礼儀や時間厳守などのマナーはしっかりしつつですが、先輩たちの技を盗んで追い越してやるぐらいの気持ちを持って入ってきて欲しいですね。
仕上げなどの表に出てくる作業でなくても、その人の仕事を見ているとどういう人間かは分かってしまいます。

成長しようという気持ちを持っている人は言葉にしなくても身体が動いていますから。
そういう熱い気持ちの方たちをお待ちしています。